TRAVELER'S JOURNAL

世界一周経験者による、本・旅・アートの記録

2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【BOOK】星を見た人生 ⑴ ーある主婦の不倫のおはなし?

昨今おおはやりの「不倫」に関連するはなしです。 イギリスのルーマー・ゴッデンという女性が書いた、「ねずみ女房」という絵本があります。素朴な絵と、やわらかい文章で構成された絵本です。そんなかわいらしい絵本なんですが、 「これは不倫を奨励する本…

【BOOK】ベトナムに死す ⑵ ーあるベトナム人女性の日記

今日、昨年の夏ベトナムを訪れた際に買った本を読み終わりました。 『Last Night I Dreamed of Peace』 これは、ゲリラ兵の看護に当たっていた20代半ばのベトナム人女性の日記です。 《So many people volunteered to sacrifice their whole lives for two w…

【PHOTO】ベトナムに死す ⑴ ー戦場カメラマン・沢田教一展

昨年の7月、日差しが照りつける真夏のベトナムを訪れました。 ラオスからバスでハノイに入り、フエ、ホイアン、ニャチャン、ホーチミン市とひたすら南下。そのあとカンボジアに抜けました。 王宮都市フエで思い出すのは、王宮近くの屋台で定食をうまいうま…

【ART】郵便配達人との再会 ⑵ ー欲望のコレクション

アメリカのボストン美術館は、主に個人の寄贈や寄付によってコレクションの拡充を続けているそうです。 上野のボストン美術館展は、日本美術を集めたアーネスト・フェロノサをはじめ、数々のコレクターの紹介がなされているのが大きな特徴といえましょう。寄…

【ART】郵便配達人との再会 ⑴ ーボストン美術館の至宝展

真昼の上野、ほっこりと懐かしい気持ちになったのは、アメリカで出会ったある人物と再会したからです。 東京都美術館「ボストン美術館の至宝展」に飾られた、「郵便配達人」ことジョゼフ・ルーラン、そしてルーラン夫人。 わたしは今年の春、アメリカの美術…

【BOOK】豊かさとは何か? ⑶ ー子どもたちがみたセルビア

『豊かさとは何か』には続編があります。 2003年発刊、同じ岩波新書の『豊かさの条件』。この本では、日本の教育の問題点や、著者が参加しているNGO活動での知見がまとめられています。 * * * 本書の中でわたしが印象的に感じたエピソードは、著者がドイ…

【ART】ジャコメッティとパリを想う ⑵ ーカフェに集う芸術家たち

ジャコメッティはもちろん、はじめからほそながーい作品を制作していたわけではありません。 初期の作品を見ると、キュビスムもあり、シュルレアリスム運動に参加していた時期もあり、そんなふうにしながら、パリにアトリエをかまえ、紆余曲折を経て棒人間ス…

【ART】ジャコメッティとパリを想う ⑴ ー彫刻がまとう空気

先日六本木の国立新美術館で、ジャコメッティ展を見てきました。 ジャコメッティとは、1901年にスイスで生まれ、フランスで活躍した彫刻家です。その作品の特徴は、ほっそながーい棒人間だということ。好き嫌いが分かれそうですが、わたしはとても好きなんで…

【BOOK】豊かさとは何か? ⑵ ー「働き方」への疑問

「働き方改革」が提唱されている昨今ですが、わたしは「働き方」よりも会社の「働かせ方」こそ、抜本的に改革すべきだと思っています。人は増えず・ノルマは減らずで「残業しないで帰ってね」などと言われたら、忖度が暗黙の雇用条件だと知る日本人は、退勤…

【BOOK】豊かさとは何か? ⑴ ーラオスの寺院、ベトナムのサンドイッチ

ちょうど1年近く前、カンボジアを旅していたとき、アラサー日本人美女のSさんと友達になりました。お互い退職して世界をフラフラしている身、すぐに意気投合し、カフェやツアー車のなかで様々な話をしたものです。 そのとき、こんなことを共感し合ったのを…